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この図は「ナファモスタット」という薬が新型コロナウイルスの感染を防ぐ様子を描いています。
コロナウイルスは通常タンパク分解酵素(この図では TMPRSS2)によってウイルス表面のタンパクを溶かすことによって細胞内に侵入していきます。つまりナファモスタットがTMPRSS2を強力に抑制するためにタンパク分解が起こらず、感染を防ぐということを説明しています。
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もう少しわかりやすく説明すると、コロナウイルスが感染して細胞内に侵入するにはプロテアーゼというタンパク分解酵素が必要で、それが無かったりプロテアーゼの力を抑制できればウイルスの感染力を低下させることができるのです。じゃあ、逆にこのプロテアーゼがご自分の身体の中に多量に存在していたらどうでしょう?実はみなさんの身体の中にはプロテアーゼが存在しているをご存知でしょうか?
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ポルフィロモナス・ジンジバリス菌(Pg菌) この菌は歯周病の親玉菌とも言われ、歯周病患者さんのお口の中には多量に存在しています。つまり歯科医院で歯周病に関して治療されていない方は(半年以上かかっていない方は要注意です)Pg菌がお口の中に沢山いるために、もし新型コロナウイルスがお口のなかに入った場合は、高い確率で感染する可能性があります。
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歯周病が進むと、歯周ポケットが深くなりそこにPg菌が多量に住みつき歯肉を喰い散らかして出血するようになります。つまりお口の中に新型コロナウイルスが入って来た場合、Pg菌のプロテアーゼがウイルスのタンパクを破壊し感染力を持った状態になります。また悪いことに、出血している歯肉には傷がついているので簡単に血管の中に侵入し全身を巡ってしまうわけです。
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歯周病を放置するとウイルス感染しやすくなることはお分かり頂けたと思いますが、じゃあ逆に考えれば歯周病を上手に管理して、歯肉からの出血を無くしPg菌の数を押さえておけば、たとえお口の中にウイルスが侵入して来ても感染の機会を低下させることが出来るでしょうね。森下歯科では1ヶ月のうち約半数の患者さんはSPT(歯周病安定期治療)で1〜3ヶ月毎に通っていらっしゃるので、歯肉出血やPg菌はコントロールできています。半年以上歯科医院を受診されていない方は、ご自身の歯周病の状態を診てもらいましょうね。